ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2020.11.30 10:08

モーニングショーはPCRの感度について特集したら?

玉川徹氏がまたニュージーランドを大絶賛していましたが、
11月のニュージーランドの統計によると、
7~9月の失業率は前期から1.3ポイント悪化して5.3%、
失業者数は3万7,000人増加の15万1,000人(人口は495万人)
に達し、四半期ベースで1986年の統計開始以来最大の増加幅、
と報じられているのですが。

感染者数人が見つかったという理由で、都市封鎖をして、
失業者を数万人出すという結果では、その政策は、日本では
到底受け入れ
られるとは思えません。
そんな事態になっても、自分はのうのうとテレビ局に出社して
失業者増加、自殺者増加について深刻そうな顔で解説し、
空理空論で場つなぎをして、そして給料をもらえる立場だから
勝手なことが言えるだけです。

そもそもニュージーランドはPCR検査の感度が、日本と違って
かなり低い国です(こちらを参照
検査結果が陽性であっても、PCRのサイクル数(Ct値)が高くて
「弱陽性」の場合は、感染しておらず、他人に危険を及ぼす
ものでもないとNZ保健省が公表してもいます。

日本で陽性でも、ニュージーランド基準では陰性、
ニュージーランドで陰性でも、日本基準では陽性
になる場合が膨大にあるはずです。

さらに、日本内科学会の学会誌最新号を読みましたら、

分科会の尾身会長が、感染症の医師と座談会を行っていて、
そのなかで、PCRのCt値について意見を言っていますね。
尾身会長は、感度の良さによって、
無症状で感染させるリスクがない人も「陽性」と検出している
ことに対する問題意識を持っていて、
自分はPCRの感度問題について研究しているわけではないが、
いろいろな人の話を聞くと、「35ぐらいがよいのではないか」
というふうに発言もしていました。

モーニングショーは、PCR絶対をこれだけ主張し、煽り立てて
きたのですから、検査拒否者に因縁をつけるよりも、
検査の感度について調べて解説してみたらどうですか?
ニュージーランド、台湾、日本、それぞれ基準が違うということを
隠さずに報じていただきたいです。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ